TOWAKAI UNIVERSAL MEDICAL SERVICE
私がタムスグループに来たのは14年前の平成19年10月です。タムスさくら病院川口に看護師として入職し、平成24年に法人でEPA(経済連携協定)に基づく介護福祉士候補者を受け入れることが決定したことを機に外国人職員のサポートをすることになりました。この時に出会った7名がのちにタムスグループのEPAの礎を築く一期生です。
当時は法人としても外国人の受け入れが初めてだったので、生活必需品の準備や食事の配慮が万全でなく、浮かび上がる問題にその都度対応していくような慌ただしさがありました。また、サポートをする役割を任されたとはいえ、それまで医療現場で働いていた私は介護の知識が十分でなく、7名と一緒に泊りがけの勉強会に行かせてもらうこともありました。振り返ってみると一期生の皆さんには多くの苦労をかけてしまったと思っています。
それから10年以上が経った今では、タムスさくらの杜 川口で約20人の外国人を受け入れられるまでになり、宗教や多種多様な人材の対応も安定してきました。
例えば、インドネシア人のおよそ87%を占めるイスラム教徒がおよそ1年に1回行うラマダン期間中は日中の飲食が禁止されているため、汗をかき喉が乾いてしまうことがないよう入浴介助を免除しています。休憩室を別に用意して、近くで日本人職員がお弁当を食べることで食欲を沸かせてしまうことのないようにも気を配っています。ほかにも、タムスグループのEPA職員の中には男性として生まれたけれど女性として生活している職員もいます。今後はLGBTに対応した更衣室を設けるなど、堂々とレインボーフラッグを掲げられる、飾らない姿で働くことができる施設をもめざしていきたいと思っています。
様々な経験を活かし外国人が働きやすい環境づくりを目指したことで、風習を理解してくれる法人であると母国の友人にタムスグループを紹介してくれる職員もいました。EPA介護福祉士候補者の段階では職場を変えることができないので、転職を希望するのであれば介護福祉士の資格を取らなければなりません。資格を取ったあとに長く働ける場所としてタムスグループを選んでくれた例もあり、一期生から一歩一歩積み上げてきた試行錯誤の日々が実を結んでいることを誇らしく思っています。
5年前からタムスさくらの杜 川口で働いているインドネシア人の男性のお話をします。
人一倍真面目に勉強をしますが繊細な心の持ち主なので夜に眠れないことが多く、頻繁に「眠れません」とメールをしてくるような男性でした。心配性な性格が故に挫折してしまわないかと一抹の不安がありましたが、見事介護福祉士の資格を取り、タムスグループが行っているインドネシアでの面接に通訳として参加することになりました。
タムスグループでは、介護福祉士の資格を取得したEPA職員は法人の経費で通訳として一時帰国し一週間程度家族と過ごすことができるので、皆その日を目標にがんばっています。
彼と一緒にインドネシアに行きご両親にお会いした際、「立派に育ててくれてありがとうございます」と何度も感謝を伝えてくださったので、私は彼をもっともっと成長させることをお約束しました。日本に帰ってきてからは本人の意識も高まり、弱気だった自分にも打ち勝って、自ら「不足している部分は教えてください」と私に聞いてくるようにもなりました。私もこれまで以上に本気で向き合い指導に当たりました。その結果、最大の目標であったユニットリーダーに任命され、日本人の職員と一緒に受講したリーダー基礎研修では“優秀受講生”に選ばれました。コロナ禍で帰国が難しいご時世ですが、次にご両親と再会を果たしたときには、これまで以上に逞しく成長した姿を見ていただけるのではないかと思っています。
『母国の習慣を尊重し、目標の達成を全力で応援してくれる場所です』のファジャルさんもコツコツと努力を継続し夢を叶える人で、誠意を持って働いてくれる姿を心から信頼しています。介護福祉士の資格を取ってからも向上心を失くさずがんばってくれているので、今では大事な会議資料の作成や翻訳をお願いすることもあります。インタビューの際にお話ししていた車の免許も早速取得していましたね。タムスグループは自分次第でどこまでも成長できる場所なので、思う存分夢を膨らませ来てほしいなと思います。
タムスグループの外国人職員のほとんどが母国にいる家族の生活を支えるため日本に働きに来ており、自分が働かなければ家族が困るという考えを根本に持っています。自分のものは自分のものではなく、自分のものは家族のもの。自分の労働に家族の生活が懸かっているという状況に加え、住み慣れない外国で仕事をするのですから精神的にも強いなと、その情熱に感銘を受けてばかりです。それに、外国人職員の皆さんと仕事をしたり会話をしたりする中で、日本人が忘れかけている“人を敬い慈愛する精神”や“見返りを求めないボランティア精神”を持っていることを強く感じます。私たちは皆さんの来日をお迎えする立場ですが、逆に勇気をもらうことや学ぶこともたくさんあるのです。
タムスグループをひとことで現すなら、視線を“未来”に向けている法人です。未来に向けての歩みのひとつとして職員の研修制度に力を入れています。私は何かを学ぶには年齢を重ねていますが、一期生と一緒に受講した研修をはじめ、介護職員初任者研修、管理者研修、リーダーシップ研修など様々な研修の費用を法人が工面してくれました。井の中の蛙にならないよう、外部の研修に参加することは非常に身になります。研修も勉強も学ぶ姿勢を全力でサポートし、それが結果として質の高い介護の提供に繋げられたらより磨きのかかった未来になると考えています。
前述の通り私は福祉施設に来る前は看護師として病院におりました。病院は具合が悪くなった患者さんが自ら頼ってきてくれますが、福祉施設はこちらから働きかけないと入居者さんが集まりません。タムスグループでは、入居者さん=お客様。自立支援や、一人ひとりに合ったケアを施設の全員で見ていくチームの概念を持っています。自分たちがお呼びした方々の日常に施設の職員全員が責任を持つことは非常に素晴らしいことだと感じます。現に私の母はタムスさくらの杜 道合に入居しておりますが、会いに行く度いつもきれいな姿でいてくれます。客観的に見てもタムスグループのさくらの杜は提供できる生活のクオリティが高く、家族を大切にしてくれる施設であることを確信しています。
私が胸に抱いている目標は、タムスさくらの杜 川口に外国人の入居者さんを受け入れるユニットを設けることです。そのユニットを担当するのは外国人職員で、ハラル食を提供し、朝はユニット内にコーランが流れています。どうですか? 施設にモスクを造るのもいいですね。容易ではない未来に標準を合わせて実現していくことが施設のクオリティに繋がるのでしょうし、特別養護老人ホームの“これから”になっていくのだと思います。
タムスグループの外国人雇用は、EPAや技能実習生のみならず多職種の採用を行うまでに歴史を重ねました。皆さんをサポートする体制は万全ですし、目標にしていただける先輩も大勢います。そのため、今このホームページをご覧いただき興味を持ってくれている皆さんには、希望を持って応募していただけたらうれしいです。タムスグループは法人の理念の下、誠心誠意努力する人には相応の評価がついてくる場所です。外国人だから、などということは全くありません。
実際に日本人と同じリーダー研修に出られるまでに成長した職員もいるわけですから。私は、日本人に負けるな!という気持ちでサポートさせていただきます。
国籍は関係ありません、皆、“桐和人”です。